原作が好きなので、見るのを躊躇していたのです。
なぜならこの手のハートウォーム系は
必要以上に“いい話”にされちゃったり、
製作陣が“味”をわかってなくて、雰囲気をぶち壊したりすることが多いからです。
働きマン、のだめ、放浪息子の声優等々、どれもこれも「そうじゃねぇよ!」だったからです。
あれ?ノイタミナに厳しいな、俺。
そもそもあんな地味で文字も線も少ない漫画、アニメに向くとも思わないし……。
信用できる複数の友人から「いい」と言われて、ようやく重い腰を上げました。
いい。大吉さん、いい。原作より好きだ。結婚したい。上司でもいい。部下でもいいし兄でもいい。友達でいい。
飾らず偽らず、
そこらへんの独身30男すぎる。
仕事できるししっかりしてるしレベル高い人なのに、どこかダメっぽい雰囲気もいい。
あーいいなぁと思って見てて、1話でおにぎり食べてボソッと
「うまいよ」って言ったとこでKOでした。
私は「おいちいでちゅね~」的な、子供を子供扱いする大人が嫌いなのです。
幼児語も猫語も、バカにしているようで好きになれません。
自然体で、単なる個体として、りんちゃんと対等に接するから大吉さんは素敵なんだなあ。
しかも自分に酔わず、りんの
「犠牲になってる」ことを否定しない。正しくて自然です。
りんちゃんもいい。
彼女の聡明さ、繊細さ、それでも子供らしくて純粋なとこが全部出てる。
この声優さんいいわー。
放浪息子で子役に幻滅したばかりなので、こう素直に来られると負けます。
レイナ役の子も、全然上手じゃないのに、なんかいい。
なんでしょうか、全体に漂う、この素朴な雰囲気。
狙いすぎていやらしくなる寸前の、ナチュラルな作り方。いいわー。
誰も美化せず、等身大の現代日本の日常を切り取ってるからかなあ。
一歩間違ったら大吉さんはヒーローに、りんちゃんは天使にされちゃうとこを、
ミニシアター系映画のように、すこんと
切り取っただけだからいいのかもしれない。
あまりアニメ的でないと思います。
でも実写でやったら、そこんとこが失敗しそうに思うのです。
(政治が絡んで配役失敗とか最っっ悪だからなぁ。環境的にアニメしか無理なのかも)
→
映画は……どうかな。トレーラー見た限りじゃ雰囲気は悪くなかったけど。
それでも
押し付けがましいハートウォーミングノリは、ちょっと感じた。音楽のせい?
あと個人的に、大吉さんが硬質な感じしなくてダメ。やわらけーよ、あんた。
“見るからに優しそう”じゃないから、
無骨だからいいと思うんだけどなー……。
20代設定もいただけんわー。もっと
疲れてなきゃダメです。
なにぶん原作を読んでいるため、ストーリーには言及できませんが、
アニメの方は既に佳作と言っていいと思います。これは残る。残るよ。
そういや原作売れてるらしいね。それも嬉しいなあ。
癒しなんてて安い言葉を使うのは抵抗があるけれども、今期の癒しアニメ決定!
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